融資に必要な返済計画を立てるための4つのポイント

個人事業主や会社が金融機関から融資を受ける際、返済計画がその成否に影響することも多いため、適切な計画を作成しなければなりません。そこで今回の記事では、融資の成功に繋がるポイントを解説します。返済計画の意義や概要のほか、作成上の重要ポイントを紹介しますので、返済計画の作成に悩んでいる方、作成のコツを知りたい方、融資に失敗したくない方は参考にしてみてください。

1 融資に必要な返済計画の意義と概要

融資に必要な返済計画の意義と概要

融資を受ける際に何故、返済計画が必要になるのか、どのような内容が求められるのか、について簡単に説明しましょう。

融資を行う際に金融機関は借手に返済計画の提出を求めることが多く、その内容が融資審査の判断材料になります。融資の実行は貸付金の回収が可能であることが前提となるため、返済が困難な状況にある、事業で返済原資を確保できない、などの企業への融資は行われません。

そのため、返済計画は企業がそうした状況にない、返済原資を確保できるなどの点を明らかにするための資料であることが不可欠です。逆にそれらの点を返済計画で示せば融資審査で有利になることが期待できます。

返済計画書の形態は様々ですが、基本は返済金額を一定期間で支払う予定表(数値をまとめたもの)です。しかし、それだけでは返済原資の不足や返済途上での資金ショートなどの疑念を払拭できないため信頼性は高いとは言えません。

そのため融資に必要な返済計画には、返済原資の確保や資金繰り管理などに関する根拠情報を含めることが重要になります。

2 融資を成功させる返済計画の4つの重要点

融資を成功させる返済計画の4つの重要点

融資審査を有利にする返済計画の重要な4つのポイントを紹介しましょう。

 

2-1 借入の目的と融資希望額の整合性

借入の目的と融資希望額の整合性

金融機関は、借手が何のために資金を必要とするのか、その使途に対して融資希望額が適当であるかの点を重視するため、その点を返済計画書に反映させることが重要です。

 

①借入使途

資金使途が曖昧である場合、「融資金が申告された使途以外で利用されるのでは」という懸念が生じると、金融機関も慎重にならざるを得ません。資金使途としては、設備投資等と運転資金に大きく分かれますが、どのような事業で具体的に何に調達資金を使うのかを明らかにすることが必要です。

例えば、新商品の開発・製造のための設備等の導入、インターネット通販を開始するためのシステム導入、新事業に伴う営業拠点や人材確保等の確保などの具体的な資金使途を示す必要があります。

運転資金の場合、一時的な売上不振などによる一定期間の資金繰り対策、新事業が軌道に乗せるための必要経費などと具体的に示しましょう。

 

②融資希望額

融資希望額は借入使途の内容にマッチしたものでなければなりません。つまり、使う目的の内容とそれを実現するための金額との適切なバランスが必要です。

例えば、「○○事業のための△△設備の導入目的で1億円が必要である」場合、事業と設備の関係、設備と必要金額の関係などが合理的に説明でき、妥当でなければなりません。
必要とする設備の見積り金額が1億円であるといった整合性が不可欠です。

 

2-2 返済シミュレーションの活用

返済シミュレーションの活用

返済計画は返済シミュレーションを活用・確認して作成することが大切です。適切な返済計画を作成するには、借手が返済の予定内容を把握し評価することが不可欠ですが、その確認と評価に返済シミュレーションが役立ちます。

例えば、日本政策金融公庫のサイトには「事業資金用返済シミュレーション」のサービスを利用できるので、返済計画案の参考になります。

例:
借入金額:500万円
返済方法:元金均等返済、毎月返済
返済期間:5年、据置期間(元金返済が猶予される期間):12カ月
金利:2.1%

以上の条件でシミュレーションすると、各年の返済金額は下表のようになります。

年数 返済額元利計
1年目 105,000円
2年目 1,342,969円
3年目 1,316,718円
4年目 1,290,469円
5年目 1,264,219円
返済合計 5,319,375円

1年目は元金返済がないため、総額は105,000円で毎月の支払いは8,750円です。2年目以降は年間130万円程度で毎月の支払いは10万円~11万円程度になります。

こうした返済を実行する際の数値を算出し、売上の実績や見込みなどから可能な数値かどうか評価し、実現可能な返済計画を完成させていきます。

なお、上記のような返済方法(元利均等返済や元金均等返済)や融資条件(金利、返済期間、据置期間等)などを金融機関との相談の中で事前に把握して、確度の高い情報で試算しましょう。

 

2-3 客観的な情報と合理的な方法で作成

返済シミュレーションの活用

返済原資の情報が曖昧・不適切であったり、数値の算出方法が不合理であったりすれば返済計画の信頼性は低くなります。そのため返済原資等の情報は客観性があり、合理的な算出方法が使用されなければなりません。

 

①客観的な情報

返済原資の数値は、借手の希望的な予測や思い込みによる数値等では評価が下がります。自社の過去の実績、業界での平均値・マーケティングデータ、自社による市場調査の結果、などを根拠として示すことが重要です。

例えば、「業界の市場データと自社によるアンケート調査から判断すると、A製品は月1,000個の販売が期待でき、売上○○万円、利益△△万円が見込まれる」というような根拠が求められます。また、生産や販売等での実施方法などを示すことも必要です。

 

②合理的な方法

返済原資(返済金額)は事業(或は投資等)からの収益を源泉とするため、「税引後当期純利益(キャッシュベース)+減価償却費」などが該当します。

つまり、一定期間の事業活動から得られる収益から手元に残るキャッシュを返済原資とする考え方です。ほかにも借入金月商倍率(借入金÷月商)など金融機関が借手の返済能力を評価する方法もありますが、前者の方が事業を評価する上でより効果的なな手段と言えます。

例えば、事業活動による今後5年間の税引後利益が100万円、減価償却費が年10万円と予測できる場合、その年間の返済原資は110万円となり、これをもとに借入金額=返済可能額が算定できるのです。利息を無視すると、110万円×5年=550万円が借入金額の候補になります。

そして、この返済可能額が借入希望額を下回ればその希望額で返済計画を作成します。上回る場合は希望額を減額する、別の調達手段も検討する、収益を改善して返済可能額をアップする、などを検討して返済計画を完成させていくのです。

 

2-4 事業計画と資金繰り表とのセット

事業計画と資金繰り表とのセット

返済計画は、事業計画と資金繰り表とセットにして提出すると、信頼性を高められます

返済計画は返済期間の各年(の毎月)にいくらずつ返済していくかを数値で示すものであるため、調達資金が何に支出されそれが事業でどのような収益に結び付いて返済原資となるか、などは分かりません。また、その返済によって毎月の現金収支がどのようになり、毎月の現金収支がどうなるかも不明です。

そのため、返済原資がどのように確保できるかわからないため、事業計画書等で調達資金による投資や運用などを示し、それが実現できることを示す必要があります。

また、どんなに魅力のある投資や事業でも一時的に資金繰りが悪化する恐れもあり、それにより返済が滞らないとも限りません。そのため、その兆候を事前に把握して資金ショートを回避する手段を取れるように資金繰り表による管理が不可欠になるのです。

この事業計画書等+資金繰り表+返済計画書の提出により、融資の正当性や借入希望額の妥当性を示せば金融機関からの信頼性は高まります

3 まとめ

融資に結び付く返済計画では、金融機関が納得できる返済の実現可能性を示せなければなりません。返済計画は返済予定を数値の集合体として示すだけではなく、事業活動の内容(投資・運用・活動)を客観的な情報に基づいて具体的に示し、合理的な方法で算出して返済の実現可能性を提示することが大切です。

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